これからの時代をつくる「電気自動車」。電気自動車では特に、バッテリーケースやノイズフィルターなど、車載部品に電装部品が増えていきます。電装部品はさびなどを防ぐためにも、表面に絶縁被膜を作ることが必要不可欠です。
粉体塗料による絶縁被膜形成
IECのコーティングシステムでは、絶縁の粉体塗料に”ディップする”だけで100~300μm程度の”厚膜”を着けることが可能。この膜厚をスプレー塗装で着けようとすると、塗装→乾燥を3~5回繰り返さないとなかなか難しいと言えます。
粉体コーティング機は他メーカーにもありますが、他メーカーとの違いは”表面バブリング”の方法。
他の方法との比較
一般的な粉体塗装
粉体塗料の入った槽をエアーで流動させ、”静電効果”により密着させます
IEC
気泡の無い粉面で密着させます。密着の方法は同じく”静電効果”です。
粉面の高さレベル±1mm以内
均一な膜を形成することができ、高い高さ精度を出すことができます
加工プロセス
1:部品をディップする
2:90~120℃で加熱し、表面をゲル化
3:200℃の加熱で本硬化させる
※ディップ後は、コーティング部を上に向けて乾燥(タレにくいのでOK)
※ロボットアームによる取扱いにより、全工程自動化できます。
加工事例
1、EV・PV ステーターコイルエンド
EV部品では平角銅線のコイル同士を溶接する必要がありますが、溶接時にはエナメルの絶縁被膜は破壊されてしまいます。
溶接部分に絶縁被膜を形成する必要がありますが、車載用部品でもあるため、塗膜の見切り精度も非常に重要となります。
2、その他の事例
図3の写真のように、入り組んだ構造やエッジの部位でも密着させることができます。これはスプレー塗装や塩ビフィルムカバーではできないことだと言えます。
さいごに
「タレない」「高い膜精度」「厚膜」など、他の工法での不可能を可能にする技術だと言えます。今後いろんなモノへの応用に期待できます。
参考情報
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